2018年3月4日日曜日

第三回かみはら寄席。

第三回かみはら寄席、無事終了いたしました。
今回は初めての昼夜の二部制での開催でした。
当日まで、どれくらいのお客様に来ていただけるか
不安しかなかったのですが、おかげさまで昼夜合わせて
総勢約120名のお客様にお越しいただき、盛大に落語会を
開催することができました。改めてご来場いただいたお客様には
感謝申し上げます。ありがとうございました!

今回は、初めて真打の夢月亭清麿師匠、3回連続ご出演の二つ目春風亭昇吾さん、
そして前座の柳亭楽ちんさんの3人がかみはら寄席に来てくださいました。

昼席は昇吾さんと楽ちんさん。

<昼席>14:00〜15:30
「雑俳」楽ちん
「松山鏡」昇吾
〜休憩〜
「寿限無」楽ちん
「時そば」昇吾

この回の1番の見所は昇吾さんの「松山鏡」でした。
昇吾さん、田舎者キャラを演じると途端に輝いて見えるのが不思議です笑
面白おかしいオーラが出てくる気がします。
思わず泣いてしまったとお客様の一人が感想を漏らしておりました。
確かに序盤の正直者のしょうすけの暮らしぶりに思わずグッと来たのでしょう。
落語って本当に受け取る側の心の持ちようで、様々に変化するところが醍醐味だなと
感じました。

個人的に面白かったのは昇吾さんの「時そば」でした。
かなりレアなネタで、昇吾さんの時そばが聞けてよかったです笑
寄席に行けば必ず聞けるので、レアじゃないじゃないか!と
ご意見もあるかと思いますが、二つ目さんが時そばかけるのは
珍しいようです。次に時そばを聞けるのはいつになるでしょうか。
それも楽しみにしていてください。

思わず笑ってしまったのは、楽ちんさんの「寿限無」のまくらでした。
楽ちんさん。佐久平に着いて、2席やることを告げられて、
かなりナーバスになってました笑 楽屋でも心ここに在らず。
どうしよどうしよ。でしたので。

雑俳はガチガチでしたけど、寿限無のまくらで肩の力が抜けたようで、
楽ちんさんの人のよさが滲み出て、楽しかったです。僕と同い年なので。応援してます。
肩の力抜けすぎて、寿限無の名前のエピソード一個抜けてましたけどね笑
気づいた人は気づいたのではないでしょうか。これもおもしろがり方の一つだと思います。

昼席のお客様をお見送りして、30分後には佐久平駅に出発!
清麿師匠をお迎えに行きました。
夜、仕事があるという楽ちんさんも一緒にお送りしました。
改札口で楽ちんさんと二人で清麿師匠をお迎えして、楽ちんさんとは
お別れ。ありがとうございました!

清麿師匠と会場に向かう道中。
色々なお話をさせていただきました。
はるばる来ていただいて本当にありがとうございます。

<夜席>17:30〜19:30
昇吾「悋気の独楽」
清麿「もてたい」
〜休憩〜
清麿「二十一世紀の子供達」

やっぱり清麿師匠の二十一世紀の子供達が会場をもっていってましたねぇ。
僕は落語聞くとき笑いがなくてもいい。アタマに残るイメージみたいなものが、
強いほど、聞いてよかった!と思うんです。
最近はテレビ番組で落語をドラマで演じるものもあって、それはそれで面白いんですが、
印象には残らない。弱いなぁと感じちゃうんです。
清麿師匠の声で淡々と描かれた情景、ドラマは強く印象に残ります。
それくらい、こちらがイメージする余白があるからだと思うんですね。
だから説明しすぎると逆に面白くなくなっちゃうんです。
笑いもある意味、刺激物なので楽しいという感情はありますが、それだけじゃなくて
落語ってもっともっとおもしろいと僕は思ってます。

前半で清麿師匠がもてたいをやって、後半で二十一世紀の子供達をやってくれた。
もてたいは、還暦を越えた夫婦のお話。二十一世紀の子供達は子供の話。
すごく感慨深かったんです。実は裏話もあって、今回初めて佐久に清麿師匠に
来ていただきましたが、そのきっかけは僕らと同じく佐久に移住して来た清麿師匠の
娘さんが農業仲間だったんですね。会場には娘さんご家族もいて、お孫さんもいて。
娘さんも含めて初めて清麿師匠の落語を聞いたそうなんです。
勝手な想像ですが、そこも含めて清麿師匠の落語、なんかすごくよかったです。
最高でした。

落語会の翌日、感想などメールでいただいて、多くの方の心に刺さったようで、
清麿師匠をお呼びできて本当によかったと思いました。
もう2ヶ月くらい前になります。清麿師匠の落語を神保町で初めて聞いて、
2時間夢中で聞いて、絶対かみはら寄席に来ていただきたいと強く思いました。
そして清麿師匠が新作落語は好き嫌いがあるから、こういった会に呼ぶとことは
とってもリスキーだとまくらでおしゃべりされて、そのとき初めて思いました。
もしかして、もしかして、、、、お客様が楽しんでくれなかったらどうしよう!!と。笑
全くの杞憂でした。いいものはいいんだと改めて思ったのでした。

そして昇吾さん。長丁場で本当にお疲れさまでした。ありがとうございました。
昇吾さんの悋気の独楽どうでしたか?僕は今回昇吾さんがかけたネタで
一番面白かったと思いました。
昇吾さんのあの、定吉のキャラですよね。あのずる賢い感じがハマってました。
おもしろオーラが全開でした笑 次回は船徳聞けるかな?

そして抽選会。
清麿師匠、昇吾さんにお願いして景品をいただいております。
一番前に座って夢中で聞いていた小学五年生。
落語が好きで好きで、清麿師匠にお出しいただいた扇子と手拭いの落語家セット。
これをぜっっっったいに欲しい!!!と一番前で清麿師匠に懇願。
会場みんなが当たって欲しい!と願いつつも抽選なのでね。
世の中そんなに甘くないよ。そう思いつつ、、清麿師匠がニンマリしながら
抽選箱に手を突っ込む。君は何番なんだい!当ててやる!と。
会場一同清麿師匠の引いた番号に注目する中、引き当てたのは、見事彼の番号。
うーん。あの瞬間は何か神がいたんだな。清麿師匠にも小学生の彼にも。
あの瞬間会場が湧きました。
親御さんから連絡があり、興奮気味に落語会のことを伝えてくれて、
扇子と手拭いは宝物にすると言っていたそうです。
主催者としてこれほどうれしい事はないと思いました。

企画から準備、当日の運営、片付けまでもう家族一同すり減るんですけど、
全て吹っ飛びました。こんなに楽しい事はない。そう思います。
これからも本気で落語を好きな気持ちで、会を運営していきたいと思います。
本当にご協力いただいたみなさん、ご出演いただいたみなさん、そして
お越しいただいたみなさん。ありがとうございました。
こんなに楽しい落語会を運営できているのはみなさんのおかげです。

次回は夏ごろ。
まずは田植えまで突っ走って。
それから第四回かみはら寄席を考えます。
お楽しみに!